[コメント] 生きたい(1999/日)
悪趣味なカリカチュア映画。自分を哀れな老人に投影させ、まわりは生意気でいい気な奴らばかりだとでも言いたいのだろうか。精神障害者にしても笑いものにするならその方法があろう。
先端恐怖症とおぼしき青年がいる。となりの人間がハサミを向けると「キャッ、コワイ」と飛び上がる。なんじゃこれは。安物のコントか。
この調子だから、当然何故か老父と暮らして青春を棒に振ってしまった躁鬱症患者の大竹しのぶもひどいものである。始終あちこちで自分の病状を訴えまくる。酒を呑んで暴力をふるい、家のなかで銃をぶっぱなす(それが重要なシーンだというなら、すでに新藤兼人は「キチガイとはそんなものだ」と思っているのだ)。ユーモアごときの騒ぎではない。それで笑えるなら差別大いに結構だが、どんよりと鬱に落ち込んでしまうこの人のユーモア感覚が信じられないのだ。
それにしても、話す順番をみんなちゃんと心得ていて、前の人が黙るのを待って話し始める有象無象のキャラクターたちもあざと過ぎてひどい。深刻なテーマだから敢えてコント仕立てにしてみました、ってか?
あえて軽い躁鬱症患者から二言三言、でした。
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