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[コメント] 家(うち)へ帰ろう(2017/スペイン=アルゼンチン)

世の中の色んな主張を、押し付けない優しい映画。
KEI

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







話が段々と明らかになると、―あぁ、あの手の話か―と、俄然興味は薄れた。この手の話は色んな切り口で描かれて来て、どういう主張にせよ、食傷気味なのだ。しかし、作者はそのこともよく分かっていたようだ。

どんな意見、主張また状態にしろ、決めつけてはいない。こんな話も有りますよと提示して、そのエピソードはおしまいなのだ。

赦す、赦さない。折れる、折れない。切る、切らない。人の感情は、理屈では割り切れなくて、どうしようもない物だ。映画が提示以上は踏み込んでいない、のが良い。そしてただ一つ、最後に残るのは「人と人との信頼」ではないか、と言っている様だ。

欲を言えば、もう少し早くすべてが分かったら、主人公と一緒にこの旅が出来たのに、と残念。また背広の型紙のエピソードも一言だけで、物足りない。もっともこれらの事は、作者の計算かもしれない。

もう一つ、告白。世の中のアカにまみれた私は、あのホテル荒らしはあの青年だとずーっと思っていた。愧じるばかりです。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

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