[コメント] アバター(2009/米)
映画史上数多作られてきたイースト・ミーツ・ウエストのジャンルに、これまた手垢のついた反開発主義・反植民地主義のテーマ性を覆い被せて、まったくもって「期待通り」の作品が出来上がった感。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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手垢がついたといえば、アバターとのリンクは『マトリックス』だし、巨大な野生のクリーチャーに襲われる特撮はピーター・ジャクソン版『キングコング』と重ねられ、特段の新しさを感じない。
というわけで、「期待通り」と書いたのは、期待を上回るものがなかったという意味なんだけど、一方で、期待を下回りもしなかったという点がジェームズ・キャメロンの偉大さなのだとも思う。とりわけ素晴らしいと思ったのは、悪役としての大佐(スティーブン・ラング)のこれでもかといわんばかりのダイ・ハードぶり。いくらなんでもこれで死んだだろう、と何回思わされたことか。あの渋太さは、『ターミネーター』のシュワや、『エイリアン2』の母エイリアンに通じるものがある。敵役はやっぱりこうでなくちゃ、と改めて思わされるとともに、流石キャメロンは娯楽映画を知り尽くしているのだなと感心するのである。
3D映画を劇場で観たのは、小学生の頃の『ジョーズ3』以来だったが、あの頃のペラ紙メガネとは違う「精密機器」にはなっているらしいものの、結局のところメガネはメガネ。案外イノベーションって生まれないものですな。
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