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[コメント] 彼らは生きていた(2018/英=ニュージーランド)

動きのギクシャクしたモノクロ記録フィルムに、証言者の語りが重ねられる、よく見るようなドキュメンタリーだなと眺めていると…画面がビスタサイズにグッと広がり、映っている彼らに突如生命が吹き込まれる。映像の持つ力をまざまざと感じさせられる。
緑雨

原題と邦題ではニュアンスが異なるが、邦題のほうが映画の本質を言い当てているように思える。

それにしても印象的なのは、フィルムに映る彼らの純朴な笑顔。野卑だが気のいい若者たち。もちろん本当に苛烈な状況は撮影する余裕もないであろうから、そのような場面は残されていないのだろうが。喜び勇んで戦場に赴き、過酷な状況でも戦友たちとの交わりにより耐えたことを、ある意味懐かしむように語る生き残った語り部たち。激烈な体験を共有した絆と、体験しなかった社会からの疎外への憤り。100年経っても人間のも営みの矛盾した本質は何ら変わっていない。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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