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[コメント] GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995/日)

愛のコリーダ』を越える完璧なセックス。恐ろしいほどに欲情させられた。
movableinferno

他者との完全な融合。それは、人間が人間のままでは獲得できない究極の交わり。

鏡像のように向き合い、しかし触れることもしないで他者と混じり合う。わたしの言葉が、あなたの口から紡がれ、あなたの言葉は、わたしの口から紡がれる。夢想すらしたことのないコミュニケーション。なんという、身震いするほどエロティックな、こんなシーンは一度も観たことがなかった。

愛のコリーダ』は、どんなに身体を擦り合わせてもひとつになれないセックスの切なさ、ひとつになりたいと願えば願うほど奪い合うしかない肉体の悲しさ、セックスをどこまでも突き詰めた先にあるエロスの閉塞についての映画だった。この映画は、その壁を越えて開放されるエロスを示してみせる。どこまでいっても自分でしかないはずの、その自分を晒し、切り開き、他者と混じり合い、変容を受け入れる、そうしてはじめて得られるエロス。いや、肉体をどんどん捨て去ることによって得られるそれは、むしろタナトスと呼ぶべきなのだろうか?

恐ろしいほど、刺激的な映画だ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)uyo[*] ina

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