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[コメント] 裸足の1500マイル(2002/豪)

白人の自虐が溢れ、アボリジニの文化に対するリスペクトがまったく存在しない。差別を普遍化した問題に転じて問おうとする姿勢がまったくない。白人優位主義による、自虐的反省が透けて見えて非常に不快。あと、ここでの広角レンズの多用は映画の撮影としては有効に機能していないと思う。
Kavalier

序盤、白人の監察官が何かが、子ども達を連れていくシーン。たった一人の白人男性が、アボリジニの大人達の中から、難なく連れ去りに成功する辺りにも、作り手の偏向と映画の作為が感じられる。

つまるところ、穿って想像するにこの映画の語っている事はこういうことだ。

当時の豪州政府の、弱い未熟な民族への保護政策は間違いであった」 と贖罪し自虐することで、「今の保護政策は、非常に健全に行なわれている」ということ。「今」と「過去」を遮断しようとする試み。そして、あざとい感動作に仕上げる辺り、今は「保護すべき劣等民族」という価値観に転じただけ。

序盤のアボリジニの固有の文化が描かれるわずかなシーンは非常に興味深い。しかしその後の、主人公の子供達は、別にベトナム人に置き換えてもなんら変わらない描き方に終始している。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)3819695[*] 町田[*]

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