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[コメント] バットマン ビギンズ(2005/米)

J-Loがいつまでたってもヒスパニック女優としてのトーンで使われてるように、ケン・ワラナビもアジアン色物俳優として使われ続けるのかなぁ、と漠然と不安になった。
かける

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







……だからといって、本作での「ハリウッド俳優・渡辺謙」の扱いに「心底」ガッカリしているわけではない。たしかに残念だけれども、まずはこんなものなんだろう。ただし、心配なのは、彼がこれからもニンジャ軍団と一緒にピョンピョンさせられたり、ナゾの国籍不明アジアンを演じさせられ続けることだ(『さゆり』もどうなることやら……)

しかし、そんな心配と、『バットマン』として充分に楽しませてもらったことは全く別の話だ。エピソードをきちんきちんと積み重ねていくところは、「バットマンの作り方」 といった感じで、前シリーズの観客を巧妙にくすぐったり、納得させてくれたりと、なかなかに丁寧な見せかたをしてくれる。

ただし、脚本も書いているクリストファー・ノーランはさすがに『メメント』な人だけあって、キッチリしていて、そしてキッチリ「しすぎて」いて、構成や演出が杓子定規になっているところもあったと思う。例えば、ブルースのトラウマになってしまう枯れ井戸の底の「コウモリ事件」や、それが悪夢として現れるときの演出が、理路整然しすぎていて、ちっとも「ナイトメア」らしく見えない。そのへんは、文字通りバートンの方が上手だったということだろう。また、フォックス(モーガン・フリーマン)の発明っぷり、真田技師長的用意のよさっぷりは、『007』のQのようだったり、『メン・イン・ブラック』の武器庫のようで、かえって月並みな印象になってしまったというか、サラっと右から左に抜けてしまったとも思う。

さて、そのように前4作のいわば「謎解き」をたっぷり見せてくれるわけだけれど、この話はこれまでと根本的な史実が異なっている。 両親を殺した犯人はジョーカーではない(それどころかサッサと殺されてしまう)

最初は演出の範囲かと思ったけれど、ラストシーンで別のことを考えた。もしかして、ベール・バットマンを、コレはコレとしてシリーズ化しようとしてる?

今度のバットマン世界にも、次作でジョーカーはちゃんと登場して、ひと騒動起こしてくれるのなら、ソレはソレとして楽しみにしたいとは思った。単純な娯楽作としては水準以上に期待できると思ったからだ(後から知ったけれど、ベールは複数本の撮影をするように契約してたのだそうで……)

ただし、続編を作るなら、アクションシーンの「運動会のホームビデオ」のようなカメラワークをどうにかしてほしい。 ただただ揺れるだけ、そしてアップが多用されすぎる。まるで視点を変更できるアクションゲームで、画面表示を自分目線に変更し、そのまま何時間もプレイしてしまったような気分で、「見えない」と「酔いそう」のダブルパンチになってしまった。

今の子供たちはこういう画像が好きで、そして私の動体視力は危険なほどに落ちてしまっているんだろうか(と、本気でちょっと心配になっている)

ともあれ、ジョーカー役のキャスティングが誰になるのか、楽しみに待つことにしようと思った。

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パーティーで酔ったクリスチャン・ベールが、「ノーラン監督がジョーカーをショーン・ペンにやってもらいたがっている」と言ったとかいう話が聞こえてきてますが、ちょっと出来過ぎ?

映画のエピソードそのまんまに、酔ったフリで必要なことをしゃべっちゃっただけかも。例えば出資者を募るための要素としてとかね。

(評価:★3)

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