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[コメント] ゴジラVSスペースゴジラ(1994/日)

東宝は、小遣い銭稼ぎでやっているホームセンターや住宅展示場の宣伝にはどんどんゴジラを使うけれど、結局のところゴジラに対する愛情なんて全く持っていないんだろうな、と思った。
かける

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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モゲラが登場することや、そのモゲラが宇宙空間を煙を吹き出しながら移動するあたりは、まさに東宝トクサツのお家芸。伝統でもいいしオマージュでもいいけれど、そういうものが見られたのはうれしい。

でも、なんで合体ロボなの? それに、搭乗員のヘルメットの巨大なMマークは何? それに、半世紀前の『宇宙大戦争』でだって、宇宙戦闘機は巨大なブースターをつけて発進したのに、モゲラはあんな貧弱な「バーニア」でどうやって第一宇宙速度を出すんだ?

長年子供相手のビジネスをやってきているはずの映画会社が、「子供だましでは子供もだまされない」なんてあたりまえのテーゼを知らないわけがない。そのへんが、どうも「やる気の無さ」に見えてしまうのだ。

それよりも何よりも、このいい加減な仕事をした脚本家の柏原寛司が、その後二本もゴジラを書いている(『ゴジラ2000・ミレニアム』『ゴジラ×メガギラス・G消滅作戦』)こと自体、東宝がゴジラをただの金ヅルとしか考えてなさそうな気がしてしまう。 スペースゴジラのネーミングだとか、G対策会議での強引な説明台詞にしても、上っ面だけのやっつけ仕事にしか見えない。

この脚本では演出をどうがんばってもあれが精一杯だったように思える。 助監督と監督をいったりきたりしていた山下賢章が、この仕事を手がけたことは、彼にとっては不幸だったのかもしれない。

でも、脚本の柏原寛司はこの後も不評の物ばかりとはいえそれなりに仕事をしていることを考えると、ビジネスの世界にはいろいろあるんだろうな、とも思ったけれど。

(評価:★1)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)おーい粗茶[*] べーたん トシ

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