[コメント] 偽りなき者(2012/デンマーク)
よく『それでもボクはやってない』と比較されるが、明らかにやっていないと観客にアピールしてある立場で描かれる主人公の目線で描かれる本作における不条理感はむしろこちらの方が大きい。衝撃のラストは主人公の被害妄想だと信じたい。そうでなければ救いがなさすぎる。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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劇中「お前は嘘をつく時に目線が動く」と親友に指摘されるシーンがある。
後のクリスマスでの教会のシーンに繋がる伏線になっているのだが、本作のボルテージはこの場面が最高。
掌を返したように一転する周囲の対応。
その中でのラストシーン。
観る側に委ねられてはいるが、石を投げ込まれ、飼い犬を殺され、スーパーでの買い物すら許されなかった主人公の心の闇の描写だと僕の目には映った。
まだ信用されていない。
一度失墜した信用を回復するには時間がかかる。
と、同時に、一度信用を失った人間が周囲をもう一度信用するにも時間がかかる。
そんなラストシーンは深く訴求してくる何かがあった。
にしても園長と相談員の少女に対する詰問の仕方はいかがなものか。
多くの問題提起を示す良作だと感じた。
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