コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ゴダールの決別(1993/スイス=仏)

なんて綺麗な映画。田舎の道路。美しい構図。体格の良い男が道を奥に歩いて行くショット。また、奥から歩いて来るショット。探偵かと思ったが、中盤で編集者だと云う。取材をしていると。名前は、アブラハム・クリムト。
ゑぎ

 序盤が顕著だが、複数の名前をほゞ同時に呼ぶ声が重なる。しかし誰が誰だか分からない、イケズな演出。

 レマン湖。大きな遊覧船が進むのに合わせて、右から左へトラック横移動するショットは特筆すべきだろう。あるいは、湖の側の公園で、人が歩くのを、左から右へ横移動して見せる(後景に遊覧船が見える)ショットも。

 駅のホーム。通過する列車の風で揺れる少年と母親(?)。降り立った男は、ドパルデューに似ている。帽子とコート。極端にしゃがれた声。この人、怖い。旅行者と思しき女子3人の一人がスカートをめくられる。やっぱりお尻好き。

 シモン−ジェラール・ドパルデューとラシェル−ロランス・マスリア。シモンの登場は、船に乗ってやって来るショット。やはり帽子が目立つ。ラシェルのピンぼけショットから、手前に歩いてきてフォーカスインするショット。あるいは、別の女性(後でラシェルと一緒に泳ごう、と云って水に飛び込む女性)を被写体にして、ワンカットの中で絞り開放から、ほとんど真っ暗になるまで絞りを絞るショットもある。

 唐突なピンボールマシンの出現。「Quit talking and start cholking(?)」の声。雑貨屋か土産物屋のカウンター下に、ミシェル・シモンのポスターが貼られている。

 後半、草や綺麗な花の生えた丘のような場所から、道路を撮ったショットが反復される。道路が画面上にある構図。この構図もちょっと他で見たことがないような美しさだ。素晴らしい。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。