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[コメント] 翼に賭ける命(1958/米)

素晴らしいモノクロのシネスコ映画。飛行機が並ぶ俯瞰カットから始まり主要登場人物が紹介されるタイトル・バックで既に見る快感に溢れる。その後も、とびっきりカッコいい構図の連続。シネスコにおける人物の仰角カットのお手本がある。
ゑぎ

 例えば終盤、ロック・ハドソンが持つケーキをドロシー・マローンが手で払い落すカットだとか。或いはロバート・ミドルトンの部屋へハドソンがマローンを連れ出しに行くシーンのハドソンとミドルトンが対峙するカットだとか。また屋内の鏡の使い方が見事で惚れ惚れする。マローンをソファに横たえさせる様も素晴らしい。あと、本作はある町のカーニバルの数日が舞台なのだが、全編に亘って喧騒と狂乱或いは退廃のムードがよく出ている。各モチーフは小さいものだが、各々がスペクタキュラーな画面を醸成する。スペクタキュラーな画が積算されとても見応えがある。

#備忘。途中、ドロシー・マローンが読んでいて、ラスト、ロック・ハドソンが渡す本  はウィラ・キャザー「マイ・アントニーア My Antonia」

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)赤い戦車[*]

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