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[コメント] わたしは、ダニエル・ブレイク(2016/英=仏=ベルギー)

行政の対応、その描写は、アイロニカルな視点で貫かれていて、そういった内容に意味を感じる、共感する観客が多いのはよく分かる。悲惨な話なのに全体に優しい眼差しに感じられる、ブレイクの人柄がにじみ出る、といった演出基調も好ましく思える。
ゑぎ

 画面造型も、しっかりしたカットバック(切り返し)を基本にした安定したもので、どこも悪くない。でも結局、描かれている事柄の社会的意義に重点を置かないと、普通の出来、としか思えない類の映画だ。なんだか全部予定調和の感じがする。予定調和が云い過ぎとしても、驚きがない。ブレイクが市役所に対して取る行為も、ケイティの身の施しようにしても、帰結の作劇にしても。ま、これぞ、ケン・ローチ、という映画ではある。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)jollyjoker[*]

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