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[コメント] 抜き射ち二挺拳銃(1952/米)

タイトルがいかにもB級っぽい通俗的なものなので、損をしている気がするが、これも傑作だ。1950年代のドン・シーゲルは、本当に素晴らしい。
ゑぎ

 全体、なかなか豪華な画面なのだ。B級西部劇という云い方は当てはまらないのではないか。例えば、町の画面奥の、通りや家屋の二階のバルコニーなんかに、人(エキストラ)が贅沢に配置されているところや、家の内装の豪華さなんかで、けっこう金がかかっていると感じるのだ。

 話の運びは、西部劇の形を借りたフィルムノワールのよう。保安官スティーヴン・マクナリーのモノローグで進行する。冒頭から、オーディ・マーフィにも見せ場はあるが、どちらかと云えば、マクナリーが主役と云っていいだろう。悪役は、ジェラルド・モーア。その妹のフェイス・ドマーグが妖婦役で、マクナリーを誘惑する。しかし、邦題の二挺拳銃は、マーフィのことを指していて、ガンファイト等のカッコいいアクションシーンはマーフィが受け持っている。中盤、夜のシーンが長く続き、夜の暗さ、黒さが強調される画面も犯罪映画を思わせる。このあたりのメインプロットの牽引はマクナリーが担っている。

 また、ジェラルド・モーアの手下の一人でリー・マーヴィンが出て来るのも嬉しい。『復讐は俺に任せろ』よりも前で、4番手ぐらいの悪役だが、結構目立つし科白もあるのだ。ただし、クライマックスの岩山での銃撃戦シーンには登場せず、殺される場面が与えられていないのは残念。

(評価:★4)

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