[コメント] ホドロフスキーのサイコマジック(2019/仏)
2018年パリと字幕が出て、ホドロフスキーが現れ、紫の小さな花の前で喋る美しいカット。最初の兄弟と母親とのセラピーの場面。マイナーなBGMも良く、演じられている(というか目の当たりする)光景、所作の数々、それ自体が面白くて思わずニヤけてしまう。
前半のサイコマジックは、基本は、ハグあるいはボディ・タッチによるオキシトシン・セラピーのようなものかと思う。
母親に愛されなかった女性(妊娠している)が全裸になる部分や、男が土に埋められ、そこに生肉をぶちまけ、ハゲタカが集まってくる、その後、ミルクをかけられる部分なんかは、いつものホドロフスキーのやりたい放題感覚だ。吃音の男性が、聖堂で睾丸を握られ、全身金色に塗り上げられるエピソードも、メチャクチャなのだが、なんだか清々しくて感動してしまう。そして、ディープ・ディプレッションの78歳の女性。不謹慎ながら、というか、申し訳ないが、この人、ネガティブ過ぎて、可笑しい。自分の演技はどうだったか、と確認したりするのも、尋常じゃなく面白いのだ。よくもまあ、面白い人ばかり、探してくるものだと思う(というか、遭遇する、というタテマエですが)。ただし、終盤の集団サイコマジックの挿話はピンとこない。
あと、ホドロフスキーの過去作が随所で挿入されるのだが、『エル・トポ』より前の『ファンドとリス』というモノクロ映画の断片が、とても良さそうでした。見てみたい。
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