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[コメント] アパートメント(1995/仏=伊=スペイン)

フラッシュバックを多用した複雑にこみ入ったプロット構成で、もう少し整理することもできたとは思うが、しかし頑張ってよく見せてくれる。なんと云ってもストーキングされる対象としてのモニカ・ベルッチには圧倒的な納得性がある。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 『裏窓』『めまい』『見知らぬ乗客』へのオマージュ。排水溝に捨てたアパートの鍵を取ろうとするヴァンサン・カッセルとベルッチとのすれ違いのシーン、つまり『見知らぬ乗客』へオマージュを捧げたシーンがこの映画の白眉だろう。

 二つのストーキング(カッセル→ベルッチとロマーヌ・ボーランジェ→カッセル)がそれぞれ思いの外あっけなく受容される展開にはどうにも疑問を感じてしまうのだが、有無を云わさず画面でねじ伏せる演出の力技は大したモノ。

 ベルッチの帰結もカッセルとボーランジェの帰結も現在の映画らしい突き放した倫理観と毒気を感じさせて良いと思う。

(評価:★4)

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