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[コメント] 緑色の髪の少年(1948/米)

ロージーの処女作にして最高傑作か。まるで妖気が漂っているかのように禍々しい。
ゑぎ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 緑色の髪を切れば物事は解決する、と考えた大人達に対して、「どうせまた、緑色の髪が生えてくるよ」という戦争孤児の少年。この映画は、内省的だけれども強烈な反戦メッセージを有しているのだが、このようなテーマ性の議論はどうしても緑の髪のメタファーを考えずにはいられない人にお任せするとして...。

 巻頭、警察署でのディーン・ストックウェル少年登場シーンの異様な照明。それに呼応するかのように、ラスト、パット・オブライエンの家の階段を唄いながら駆け上がる一見陽気な夜のシーンも相当に異様な照明だ。まるで妖気が漂っているかのように禍々しい。自転車で森から町中へ逃走するシーンを見てもまるでハリウッド映画らしくない、フリッツ・ラングや初期のヒッチを想起させる陰翳深い画面。

 しかし何と言っても圧巻なのはディーン・ストックウェルが森のなかで蹲って泣いているシーンに続く、唐突といえば余りに唐突な、現実なのか夢なのか判らない、戦争孤児達の出現のシーンだろう。参りました。

(評価:★5)

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