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[コメント] ミリオンダラー・ベイビー(2004/米)

正直どちらが良いかわからない。
きわ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







****ネタバレ注意*****

私は「尊厳死」という言葉を、この映画で知った。それまで、「尊厳死」という単語を知らなかった。

「尊厳死」が「良い」か「悪い」かという考えがあるけれど(あえて「良い」「悪い」という簡単な表現を使わせていただきます)、私は正直わからない。

もっと正直に言うと、どっちでもいい。

なぜかというと、「死んではいけない。(尊厳死を望む人を)殺してはいけない。」と、なぜ簡単に言えるのか、と思うからだ。 「死んではいけない。」というのは簡単だけど、もし私がマギーなら死にたいと思うし、他人に「辛くても生きていたら、なにか良いことがある。死んだら何もかも終わりだ。」と言われても、やっぱり死にたいと思う。じゃああなたが私の人生を代わってくれるの?と思う。それと「フランキー。大変な責任を負わせてごめんなさい。でもあなた以外にこんなこと頼める人はいません。」て思うのです。

だから、フランキーがしたことが「良かった」とか「悪かった」とか、この映画を観た後、何にも考えませんでした。(ちなみに、彼が後追い自殺する予感もまったくしませんでした。レモンパイを食べているを見て、「あー。あのダイニングを買って自分のお店にするのかなー。いい引退だなー。」なんて思ったのです。そんなこと思ったなんて、今から思うと恐ろしいくらいノー天気です。彼が食べ納めにレモンパイを食べてるなんて、ちっとも思わなかった。)

でも逆も考えてみた。もし自分がフランキーだったら、マギーになんて言いたいか。それはたぶん、「生きていて欲しい。」だと思う。でも、「いま殺して欲しい。」と言われたら、泣く。そんで、しばらくどっかに逃亡するかも。

(05/11/23)

以下、過去レビューです。

******

監督と俳優と女優。

映画を批評する上で「脚本が良い」とか、「映像が綺麗」とか、そんな誉め言葉が誉め言葉ではなくなるのではないかと思うほど、この俳優と女優と監督が三人が生み出す物。結局映画というものには、この三つ以外なにも必要ではないのかとさえ思う。

ヒラリー・スワンクをみて思ったのは彼女がほんとに「女優」だということ。女優というのは片方にニコール・キッドマンの様な人がいて片方にスワンクのような人がいる。どちらも必要な女優の形で、どちらもお互いのすることはできない。だけどスワンクの折れた鼻を治す場面や、舌を噛みきって自殺しようとする場面の彼女の表情は、芯から演ずることだけを考えている人しかできない。勇気があって純粋な演技者だ。この映画の最初から最後まで彼女はマギー・フィッツジェラルドであって、その他の何者でもなかった。

結構笑わせてもらって、かつ不意打ち感動をくれたデンジャーといじめっ子ボクサーにも☆を。

(05/6/5 劇場)

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)イライザー7 makoto7774[*] 映画っていいね[*]

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