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[コメント] ハリー・ポッターと炎のゴブレット(2005/英=米)

ハリー・ポッターを監督する監督って、ほんとに大変だと思う。でも今回のが一番すごかった。映画として面白かった。
きわ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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全世界に原作のファンがいて、そのほとんどが原作に忠実な映像を望んでいる。そのうえどんどん原作は長くなっていて、スペクタクルになっている。それを2時間半乃至3時間のうちにまとめるっていうのは、これは誰がどうやったって大変なことなのだ。

正直、2作目はダレた。見ている間は「原作通りの映像」と「主人公/役者達の成長」をみれただけで満足だったが、映画としてもう一度観たい作品ではなかった。3作目は監督が替わったので、少し原作を離れた解釈をしている雰囲気が出てきていた。そして4作目はどうだ。 マイク・ニューエルという名前を聞いて、どんな作品を作った人なのかまったくピンとこなかったのだけど、そうか、『狂っちゃいないぜ!』の監督なのか。ハリポタ第4巻を監督するという難題を、ここまで見事にこなしたこの人はすごい。

まずこの「炎のゴブレット」はこれまで以上に観たい内容が盛りだくさんだ。クィディッチW杯に始まり、世界の魔法学校三校で競う対抗試合。そしてハリーら主人公達の恋のエピソードが始まる。 原作のムダに長い序盤。クィディッチW杯のシーンはざくざくと進む。そして終わる。しかしそこにかかったであろう手間とお金は手に取るようにわかる。どうとっても長くかかるエピソード。それを観たい我々ファンの心を、その見せ方の加速と密度でどんどんと上げていってくれる。どんどんと撮り、見せ、話を進めていく。今作はスピード感がまったく違う。夢中で観た。3時間は早かった。やっと復活した闇の帝王も、レイフ・ファインズというから期待できる。とにかく不気味で凄味のあるヴォルデモート卿をやってほしい。

主人公三人はこちらの感傷などおかまいなしに、ぐんぐんと成長している。自分のご贔屓のロン君(ルパート・グリント)のロン毛や、ハリー(ダニエル・ラドクリフ)君の眩しい入浴シーンや(まじで白すぎて眩しい)、ハーマイオニー(エマ・ワトソン)の「私モテちゃった♪」「台無しにしないで!」などの女心の揺れる様、その他第一作目からの名脇役の同級生達。特に一作目でもキラリと光っていたぽっちゃり君(すいません。名前忘れました)。彼までロン毛でしかも今回はハリーの勝利の立て役者となり、ダンスパーティでは主役二人を一歩リードしているではないか。その他の同級生達もどんどん成長していくさまを、さりげなく、しかしきっちり写してくれている監督。まじ感謝です。 チラ出演なのに(しかもほとんどCG加工されているのに)律儀に役をこなしていたゲイリー・オールドマンもマジリスペクト。

今回ほど胸が苦しくなったハリポタはない。ラストのハーマイオニーの言った言葉がしみたぜ。。 (05/12/7 劇場)

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)Osuone.B.Gloss[*] ドド[*] お珠虫

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