なぜなら、ことの発端となった爆弾テロ事件自体が、反政府ゲリラを狙った米海兵隊の破壊工作だし、それを隠蔽するために捜査活動に海兵隊が出動する、そのこと自体の是非がもっと問われていいはずだが、そのことは結局うやむやのままになっている。

ここがあいまいだから、別人になりすましたり、躊躇なく住民を射殺するような特殊訓練を受けた海兵隊兵士という設定が、なんだか宙に浮いた感じになっている。だから、そういう特殊訓練がなんのために、そしてどのような形で実戦にでてくるのか、わからないし、ストーリーの展開にも説得力がない。

おまけにこういう破壊工作自体があいまいにされたままでは、アメリカはもはや映画の中でさえも、自らの犯罪的行為に決着をつけられなくなっているのかと、後味の悪さを残している。

オマケ★★映画の冒頭、「○○○タイム」をせっかく９分半と決めたのだから、その９分半を全部見せてくれていたら、もう１点追加していたかもなあ。