[コメント] ハウス・オブ・グッチ(2021/米)
遠近感を狂わせるアダム・ドライバーの怪相はたちどころに時代感を克服し、80年代を知覚させない。ツーブリッジの広漠なフレームがかろうじてアダムの顔面をまとめ上げるが、
メガネ一本で80年代を捕捉する綱渡りに、山崎豊子ドラマのような筋を望むべくもなく、矯正された遠近感はガガを丸顔に磨き立て、アダムを突然浪費家にし、ジャレッド・レトのIQを乱高下させ、事件は狂愛の捻じれとして解釈される。これは決して後味が悪いわけではなく、また美術と衣装だけで元は取れるだろう。
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