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[コメント] 毛皮のエロス ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト(2006/米)

本当の自分を求めるために、自らの欲望を解放させていくダイアン・アーバス。ただし、監督は常に「毛」に執着しているため、アーバスがまるで生かされていない。主人公をわざわざアーバスにした意味はなんだったのだろうか。
牛乳瓶

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非常にがっかりした。大好きなニコール・キッドマン主演ということで、特に予備知識なく本作を鑑賞した。

恐らくアーバスの作品から本作への発想がわきあがったのであろうが、物語は常に「毛」に着目されて進行されており、アーバスは脇役に過ぎない。

アーバスは自らの感情を抑制する毎日を送っており、それがある日、上階に多毛症の男がやってきたことで物語が展開する。多毛症に始まり、毛皮、排水溝に詰まる「毛」、眉毛や胸毛、陰毛、ムダ毛などなど・・・テーマは毛なのだ。

この描写では日々抑圧されているアーバスが毛に異常な執着を示すのはわかるものの、それ以外のアーバスが描かれていないため、なんだか非常に無気質に感じてしまった。これなら、主人公はアーバスにしなくとも良かったんではなかろうかという疑問さえ湧き上がってくる。

キャラクターに魂がこもっていないので、キッドマンの演技の本領を披露するまでもなく、感情のないただのつまらない人間であるかのような演技。ロバート・ダウニーJr.は目の演技がメインであったが、これは上々あるが、素直に絶賛する気になれない。そんな作品だ。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)agulii[*]

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