本作、起こっていることの関係性が良くわからなかったため、かなり多くの時間をポカーンと過ごすことになってしまった。

コーマック・マッカーシーの『ノーカントリー』はシガーが「死神」の役割をしていることが明確になっているので、彼が殺人を起こすことに明確な理由がないことも理解がしやすいし、ストーリーも基本的には一本線である。

翻って本作は話がどういう構造をしているのか、わかりにくいように思う。メインキャストのうちのローラ（ペネロペ・クルス）を除く４人と、彼らを除いた脇役の関係性がいまいちつかみにくい。

バイカーをワイヤーを使って殺害したのはマルキナ（キャメロン・ディアス）に雇われた人？で、彼らがトラックで移動しているところを襲ったのは「組織」の人？ライナー（ハビエル・バルデム）を急襲したのとローラを拉致したのは「組織」の人？で、マルキナが最後にホテルのラウンジのような場所で喋ってたのは誰？？

一つ一つ整理していけばおそらくはラインがつながるとは思う。それがわかりにくいのは難点ではある。わかりにくい事が即低評価につながるとは全く思っていないが、本作にはどうも魅力を感じられなかった。

（2013.11.16 シネプラザサントムーン）