[コメント] すべてが変わった日(2020/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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初対面の相手の機を制するレスリー・マンヴィルとジェフリー・ドノヴァンのキャラクター造形、セリフ、演出が効いている。 『マーダー・ライド・ショー』のようなホラーものならそういう目で見ていられるが、通常の映画でこういうキャラクターが登場すると気持ちに逃げ場がなくなることを痛感。
思わぬ激しい展開に戸惑わされはしたが、スパイスが効いた良品だ。
印象に残ったシーンが1つ。 ケヴィン・コスナーとダイアン・レインの2人が商店街を腕を組んで歩いている。 ケヴィン・コスナーがおもむろに一人で酒屋に入りウイスキーを買い、店から出るなり一口あおる。その間ダイアン・レインは他所の方向を向いている。再び歩き出すがそこではレインは腕を組みなおさず、Happy? と尋ねる。 ここについて具体的な説明はないが、息子の死でケヴィン・コスナーが酒を飲むようになったことが想像でき、妻は気にしているがそこまで責め過ぎてはいないことが伺える。他のシーンと合わせて、夫婦の関係性がしっかり描かれていることに感心させられる。
もう1つ、日本語字幕に関して。モンタナ州ベントロックで、保安官に対しケヴィン・コスナーが、サヨナラを言う間もなく義理の娘一家が旅立ってしまったので、「(字幕)別れを言いたい」と説明するシーンがある。 「別れを言いたい」の実際のセリフは I’m just looking to give her that で、明確に彼女に別れを言う機会を与えたい趣旨となっており、彼の動機は妻のためなわけだ。 このとき、ケヴィン・コスナーは離れた場所にいるダイアン・レインのことを見ながら話してはいるので、この(少なくともAmazonビデオの)字幕でも伝わらなくはないが、足りないように感じた。
なお、この後、亡くなった息子を発見するフラッシュバック映像につながれ、息子に別れを言えなかった悲しさを、セリフではなく映像で伝えてくるのも上手い。
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