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[コメント] ギャラクシー・クエスト(1999/米)

社会学の授業で習った「ラベリング理論」を思い出した。
パグのしっぽ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







社会学でいうラベリング理論は、例えば元気が良いというだけで小さなころから近所のおばさん達に「A君は悪ガキだから…」と噂されて育ったA君が、本当に悪ガキとしての道を歩み、しまいには手のつけられない不良少年になってしまう現象を説明する。周囲から与えられた役割(ラベル)に応じて人は成長するという話だったと思う(詳しくはラベリング理論でググって!)。

テレビ局が用意するハリボテの上ではただの三文役者だった主人公たちも、異星人が用意したガチの舞台の上では役割を受け入れざるを得ない状況に追い込まれていく。初めて座る本物の操縦席、触ったこともない筈の操縦レバーも、かつて演じたように操作すれば思い通りに動く……自身の感覚と環境がシンクロしていく過程が、作品後半で描き出される。本作がただのギャグ作品で終わっていないのは、このシンクロの心地よさがベースにあるからではないだろうか。

ラベリング理論は上述した例のように、犯罪学の暗い文脈で語られるものだが、本作のように前向きなラベリングだってアリでしょう。人は褒めて伸ばせ!ってことです。

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普段、アイロンをかけながら片手間で見ているテレビドラマであっても、この広い宇宙のどこかでタコみたいな異星人が電波をキャッチして、その通りの社会を築いているかもしれない。そんなロマンを感じながら、今日からはドラマを見よう。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (3 人) NOM けにろん[*]

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