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[コメント] JUNO ジュノ(2007/米)

巷言われているように、養子縁組の話が立ち上がってからがおもしろい。エレン・ペイジは、ガーナー&ベイトマンの高所得夫婦の邸宅を都合三度訪れる。最初は父シモンズと共に。二回目は写真を携えて単身で。いずれも、ペイジ退場の後、カメラは室内に残ってこの夫婦を捉える。
shiono

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







三度目の訪問でこの夫婦に亀裂が入ると、カメラはこの家から出て行く身重のペイジを正面から映し出す。ここがいい。ディアブロ・コーディーの脚本と、ジェイソン・ライトマンの演出は、これを『ゴーストワールド』のような未成年少女と成人男性とのブレイクダウンにせず、人間関係の本質的な脆さを既定のものとして織り込んで、聡明で慈愛に満ちた眼差しを寄せている。

そこに至るまでのベイトマン&ペイジの、音楽や映画を共通言語とした友達関係も楽しいし、ショッピングモールで偶然出会うガーナー&ペイジのエピソードもいい。シモンズ、ジャニーとの、意外にパワフルな親子関係、親友サールビーやボーイフレンド・セラとの等身大のスクールライフも含め、エレン・ペイジを中心とした小さな世界が生き生きと親しみを持って感じられた。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ナム太郎[*] イライザー7

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