[コメント] 神様のパズル(2008/日)
「東映」してるし「角川映画」しているのが40代前半の我が身には感涙もの。人はそれをカツゲキとかホウガなどと呼ぶのではなかろうか。アンチ・ヴァーチャル萌えとしての、レトロなお色気がまたツボだった。
まずは市原隼人の素晴らしさを称えなくてはならない。表情の豊かさ、人好きのする人間性、声の魅力といい、この際、彼は森繁を髣髴とさせる大器だと言い切ってしまおう。
そしてそれを受ける谷村美月の存在感がまたいい。砂を噛むような台詞に命を吹き込む彼女の肉体性、目の演技、発声に至るまで、平板なキャラを立体的で艶かしく見せている。確信犯的な胸の谷間の見せ方もまたいい。
アニメや字幕の使い方は言うに及ばず、クローズアップと長回し多様のカメラワーク、鈍色基調の色彩感覚や、ほとんどノーメークかと思ってしまう女優陣のスタイリングなど、テーマに反して野暮で汗臭いアナクロ感覚満載なのだが、それが活動写真しているんだよなぁ。キャラクタリゼーションとスペクタキュラーがストーリーを圧倒するこの作品のありかたは、ひとつの正しい映画の姿であると声を大にして言いたくなる。三池崇史ってこんなに巧かったっけ?
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