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[コメント] インファナル・アフェア(2002/香港)

映画が現代を舞台に物語を語るとき「携帯電話」から逃れることはもはや難しい。携帯電話は他の通信手段より容易に二種の距離を両立できる(遠く離れていても目の前にいるように会話ができる)小道具であり、その意味で駐車場でのアンディ・ラウエリック・ツァンのシーンの携帯電話の使い方は(ベタだが)面白い。
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よい演出と悪い演出が混在している。今述べた屋内駐車場シーンでなぜか水たまりがあるなんていうのはとてもよいし、真っ暗闇の取調室だか面会室にタバコの煙が浮かぶ、というのもいい。最高なのは手前にトニー・レオン、その背後の車の上に殺された警視アンソニー・ウォンが落下するというワンフレームのショットで、これは思わず声を上げてしまうほどすばらしいのだが、しかしその直後の描写となると歌を乗せたスローモーション、さらにはフラッシュバックまで挿入するなどして、これはいくらなんでも安易に扇情的すぎはしないだろうか。「簡潔さ」のうちに起ち上がるエモーションを好む者としては興の冷める演出である。

(評価:★3)

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