[コメント] ドリームガールズ(2006/米)
楽曲や歌唱がよいというよりも、音の鳴りがよい。物語の進行は音楽のみを原動力にして不可解なほどの速度とテンションで行われるので、ほとんど抽象の域にまで達してしまっている。が、そこがすばらしい。
この映画は物語を信じていない。物語よりも音楽を信じている。それって果たして映画としてどうなの? と疑問を抱く人もいるだろうが、物語よりも音楽を信じるこの態度は、有声映画においては常に倫理的に尊重されなければならない。しかしミュージカル・シーンのショット構成の稚拙さを見る限り、ビル・コンドンという監督は画面さえも信じていないようにも思える。そうだとすれば由々しき問題なのだが……。
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