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[コメント] 独立愚連隊西へ(1960/日)

悲惨な時代の明るい青春時代へ捧ぐ、岡本監督の鎮魂歌。
ピカレスク

日本映画界で、「戦争」を題材にした作品というと暗く、重苦しくなりがちな風潮のある中、ただ一人岡本喜八だけは底抜けに明るい戦争映画を撮り続けた。

佐藤允のニカー笑い、フランキー堺演じる八路軍司令官との爽やかな友情…そんな場面の一つ一つがとても印象に残る。

作品に登場する粋な男達と同様、岡本監督自身の青春時代もこの「戦争」にあったのだろう。皆で騒いで、他愛のないことで笑い、泣き…そんな人生の中のかけがえのない一時は、今を生きる私たちも、彼らもきっと同じだったのだ。

主役から脇役に至るまで、キャラクターが光っているのは、きっと、岡本監督のその時代へのノスタルジーと、去って行った沢山の“いい奴ら”へのレクイエムなのだ。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)sawa:38[*]

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