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[コメント] ラブ・アクチュアリー(2003/英=米)

鑑賞者の想像力で補完させるあくまで軽く甘い休日用三面記事的SO-SOムービー
junojuna

 とても軽い悲喜劇でその性格ゆえに登場人物の自己中心的な生き方はすべて許容される。どんな生き方もあらゆる人生も、「これでよし」と思える瞬間を生きることが希望である。ということがメッセージなのだと思えれば、少なからず人をハッピーにさせる映画として可愛いものである。内容やストーリーテリングについてはあらかじめ喜劇的な性格であるがゆえ演出のわざとらしさなどそれ以上言っても仕方がないのだが、そのあまりに普通然としすぎている風体は、より映画のスタイルの強度を求めたくなるものだ。この映画が唯一救われている点は鑑賞者の想像力によって映画が補完されるという感動委託システムということだろう。アンサンブル劇の旨みとは個の人生(エピソード)が混沌とした大なる集合意識に収斂されてゆくという神秘的あるいは教訓的な風味をもって味わえるひとつの話体である。 そうしたエピソードを構成し物語るということで映画はテーマやメッセージを抽出し鑑賞者の感情に訴えかけるものであろうが、ただのエピソードの並行羅列では批評性のない三面記事というものだ。感情移入を阻むのであればもっと強烈なスタイルが欲しかった。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ダリア[*] Lostie[*]

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