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[コメント] わが生涯のかがやける日(1948/日)

戦争利権を描いてGHQと検察庁にズタボロに切られたらしく、さすが新藤であるが残されたフィルムは偶然過剰の空疎な活劇に過ぎない。ヒロポン中毒の森雅之、世間から逃げ回る清水将夫、抽象的な科白を血肉化する宇野重吉と、役者は揃っていたのに残念。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







宇野の名科白「新しい日本が始まっている。前進している。今にその姿が判ってくるよ。君自身の姿も正確に判ってくる。目を上げてみるんだ。世界はいま動いている」「人間の歴史は怒涛のなかで描かれている。そのなかを皆生きてきたんだよ」。この人が云うと説得力に溢れてくる。まるで学校の先生みたいだ。

ヒロポンがなくなったら困るのが判るだろうにボスに盾突いたり、殺害者の娘に惚れたり、森の言動の無茶苦茶はヒロポン中毒で説明されるのだろうが、親殺しの犯人を恋慕する山口淑子の唐突さは出鱈目としか見えない。

あと、滝沢修が筋骨隆々なのに驚いた。名優は身体鍛えているものなのだと感心しきり。森雅之はグラサンすると内田裕也にそっくり、ヤサグレた味は流石。

(評価:★3)

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