[コメント] キャタピラー(2010/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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「神は倫理に耐えられない」という命題が浮かび上がり、とても興味深かった。大西信満の造形は、中世ヨーロッパの古城に幽閉された動物神を想像させるものがある。神などというものは権謀術数でのし上がり、無茶苦茶をしてきており、更に無茶苦茶をしている者に利用されているのであり、反省だの告白だのを始めたら身を亡ぼす。だから口もきけない。時代の変遷で妻が発狂(篠原勝之とともに狂ったと解するべき)しても冷静で、冷静に自殺などするのであるが、それは倫理から逃げるために他ならない。入水自殺せんと池へ向かう彼の姿は、神の小狡さを象徴しており、印象に残る。
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