[コメント] 魂のジュリエッタ(1965/仏=伊)
巨匠は初カラーを扱い損ねておりまだ練習中の印象。顔に影の落ちる連続技は大したことがなく、モノクロなら超絶に決まっただろう技は決まらず、ジュリエッタ・マシーナの顔色の悪さばかりが目立つ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
炎の傍に立つ幽霊と、サンドラ・ミーロの阿呆が強烈になった以外、カラー撮影に見処がない。話も退屈。亭主が寝言で他の女の名前呼んだ、みたいな痴話喧嘩が面白い映画になったことなど絶えてあるまい。『8 1/2』のように作者はジュリエッタに寄り添えていないのが致命的だろう。
ただ、収束は訳の判らない迫力がある。とつぜんに生死感が浮上してきて、娘時代の殉教劇が再開され、棺の置かれる遠近感曲がった小屋がドイツ表現主義らしくて素敵で、かつて殉教劇を破壊したお祖父さんが参入してへんな飛行機で去る。これは一体なんなのだろう。訳の判らない迫力で〆る傑作『ローマ』や『オーケストラ・リハーサル』の先駆だろうか。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。