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[コメント] キャスト・アウェイ(2000/米)

この映画には本当にびっくりした。いわゆるロビンソン・クルーソーものがまともな映画になるはずがないと高を括っていたからだ。無人島に役者が一人いるだけでは映画の魅力の一つである会話劇や視線劇を成り立たせることができないため退屈で平凡な描写に留まると踏んでいたのに前述の問題点をあっさりと解決してしまっているのだから全く大したものだ。
Sigenoriyuki

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ロバート・ゼメキスは無人島での生活シーンにおいてどうやって会話劇と視線劇を成り立たせたか。まずバレーボールに顔を描き、そして描かれた顔と台詞を喋るトム・ハンクスの顔をクローズアップの切り返しで映す。なんとこれだけで会話劇が成立してしまった。同じくそのボールが海に投げ出されるとそのボールの顔を追い求めトム・ハンクスの視線はさまようこととなる。これで視線劇も成立してしまったのだから本当に驚くしかなかった。画面に映される顔の一方が何か台詞を喋る必要はなくまたそれが人間である必要もなく生き物である必要すらない。ただそれが顔であると認識できる物体であれば会話劇や視線劇を作り上げることが可能であるという身もふたもない事実にただ愕然としてしまった。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ジョンケイ[*] ゑぎ[*]

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