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[コメント] オルフェ(1950/仏)

神話なんてだいたい荒唐無稽なもんですよ。
ペペロンチーノ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







ジャン・コクトーは、詩、小説、劇作、評論、絵画、そして映画と「芸術のデパート」と、技のデパート舞の海みたいな呼ばれ方していたそうですが、私が思うに、少なくとも映画に関しては「変な特撮をやりたがっている人」という印象です(笑)。

それはおそらく、「映画(映像)でしか表現できないこと」に挑戦していたからだと思うんですけどね。逆再生とかリア・プロジェクションとか、絵画や小説・詩や演劇ではできない表現をやろうとしている。他の芸術で表現できることは他でやればよくて、映画だからできること、映像にしかできないことにこだわったのではないでしょうか。こだわったというか、それを「面白い」と感じたというか。

でもね、これ、物語としてはどうなんだろう?黄泉の国へ行く所謂「冥府下り」のクダリ。一度死んだ奥さんを現世に戻す条件は「冥界から出るまで、振り返って奥さんの顔を見ちゃいけない」って話なんですよね。ところがこの映画、現世に戻ってまで「奥さんの顔見ちゃいけないコント」を繰り広げるんです。なんだそれ?それと、あのモールス信号と謎のポエム。あの詩そんなにいいか?(そもそも詩なのか?)

いやもう、いろいろ謎で。そもそもオルフェ自体に物語が見出だせないんですよね。むしろこれ、死の女王の片思いの物語になってないか?

(2023.01.04 恵比寿ガーデンシネマにて鑑賞)

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)kiona ジェリー[*]

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