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[コメント] アイ,ロボット(2004/米)

ストーリー面もう少しじっくり見たかったです。ややアクション面が大きく描かれてしまった感じを受けました。ロボットが人間と共生している未来図は自然な感じで良かったです。
kawa

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







劇場版『機動警察パトレイバー』、『ダーク・シティ』に関して若干触れています。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

支配する側とされる側...一触即発状態にある両者間に割って入った仲介者が救世主となって、事態の解決に奔走する話はSF映画にはよく見られる光景だと思うのですが、本作品のユニークなところはその仲介者がロボット三原則に縛られず己の良心に従って行動できるロボットと、過去の経験からロボットに不信感を抱いている刑事、ふたりであるというところだと思いました。

共闘せざるをえない間柄でありながら両者間には大きな隔たりがあって、事態が解決するにつれその隔たりがなくなり、サニーとスプーナー刑事が相互理解できると同時に事件そのものも解決する、というところにこの映画の面白さがあると思うのですが、ややその人物配置の面白さが、アクションの陰に隠れがちになってしまったような感じを受けたのはちょっと残念な気がしました。

まだ一回しか見ていないのでアクション・シーンが大きく記憶に残っているのですが、内包しているテーマ、ストーリー事体はとても面白く仕上がっていたと思うので、2回目以降ストーリー重視で見れば、よりこの作品の面白さ、良さが掴めそうな感じです。

ラスト・シーンは放棄されたNS−5達の前に現れたサニーが、VIKIに代わる新たな指導者として人間とのより良い共生、共存関係を今後模索していく未来を暗示しているような感じでイメージ的にとても良かったです。

それにしても前作『ダーク・シティ』で押井守の作品との関連性が指摘されたアレックス・プロヤス監督ですが、本作品でも作品中、キーマンとなる男が冒頭で亡くなっている点、彼が残したダイイング・メッセージを丹念に拾い上げていく刑事、クライマックスのロボットの暴走、暴走しているロボットが赤い光を放っている点など、『機動警察パトレイバー』劇場版との類似点を、少し感じました。アレックス・プロヤス自身は押井守を知らないとコメントしているのだそうですが...。本作品の脚本は「Hardwired」と呼ばれたまったくのオリジナルなものだそうでアレックス・プロヤス以前に押井守に監督オファーがいっていたとの噂もあったようなので、脚本執筆に当たってある程度参考にしていたのかもしれません。

(評価:★3)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ナッシュ13[*] けにろん[*]

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