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[コメント] 遠い空の向こうに(1999/米)

全般的にそれほど「見せ所」がある映画だとは思わないけど、淡々としたストーリー展開と親子の矛盾した行動が、逆に「本当にあった話」としての静かな感動を授けているように思う。
Walden

時代とともに寂れていく炭鉱と街全体、「オレは(これから先の)自分の人生を全部知っている」という少年の気持ち、「奨学金」が持つ重み、親の期待と自分の望み。

これらが醸し出す閉塞的な雰囲気の町の中で、10月の空が少年に与えてくれた夢は、夢であると同時に自分の世界(可能性)を広げるチャンスでもあった。

映画全体としては、演出も単調だし、役者の演技自体もそれほど印象に残るものであるとは思えない。

でも、Based on a true storyだけが持つことのできる真実味が、我々に現実の暗さと、そんな中であきらめずに夢を追いかけることの大変さ、そしてそれを達成することの素晴らしさを教えてくれる。

「素晴らしさ」といっても、少年たちは別に歴史に残る偉人になったわけじゃない。彼らが達成したことは、他の人からしてみれば別になんの価値もないことかもしれない。

でも、「夢を追いかけた」瞬間の彼らの物語は、やはり素晴らしいと言わずにはいられない。我が身を振り返ればなおさらに。

(評価:★4)

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