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[コメント] ルパン三世 カリオストロの城(1979/日)

男の生き方と、「映画は映画館で見るべき」ということを教えてくれた映画でした。(詳しくはReviewで)
tomoyu-n

 公開当時、高校1年。テレビの第二シリーズのルパンに「こんなバカ、ルパンじゃない!」と脚本の出来に不満タラタラだったとき、「緑の背広のルパンが復活する!」というので、公開日をワクワクしながら待ったのを今も覚えています。小学生のとき、ルブランの怪盗ルパンシリーズを読みふけっていたので、「カリオストロ」というタイトルにもシビれました。

 実は、テレビの第一シリーズの放映当時はまだ小学生で、大隅正秋のハードボイルドなルパン(「殺し屋はブルースを歌う」とか「雨の降る日はやばいぜ」とか)と、宮崎駿の優しきルパン(「七番目の橋が落ちるとき」は「カリ城」の原型ですね)の区別がついていなかったのですが、「カリ城」のルパンは、大人の男の強さと哀愁を示してくれた点で、僕にとっては旧ルパンの復活と言えました。当時は「コナン三世」という批判も結構ありましたが。

 で、実は当時の興行成績は良くなくて公開は早々に打ち切り。その後は伝説の名作として、名画座や学園祭で公開され続け、それを求めて追いかける人々を「カリオストロ・ジプシー」なんていいました。 日本テレビの水曜ロードショーで放映が決まったときは、「あの名作をカットさせるな!」とノーカット放映を求める署名運動もありました。結局、ファンの願いもむなしく規定通り約5分のカットが行われたのですが、そのことよりもファンが衝撃を受けたのは、「映画館で見たときほど面白くない」という事実でした。それはもう、インターネットどころかパソ通もなかったのに、ファンの共通体験として、伝説となりました。この作品が宮崎駿の映画初監督作品だったことを考えると凄いことです。あなたが、もし、映画館でこの作品を見たことがないなら、それは不幸なことです。

(評価:★5)

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