[コメント] フリーダ(2002/米＝カナダ)
日本で、フリーダ・カーロの画家としての価値があがったのは ここ数年のようです。昨年（2003年）は、「フリーダ・カーロと その時代」と題して、展覧会が開かれましたが、国内では、 フリーダ・カーロの絵が展示されるのは、確か初めてだったのではないでしょうか？ もちろん、私もこの展覧会に足を運びましたが、かなり美術館は賑わっていて、 へぇ〜、凄い人気になったんだなぁと思ったものです。
私は美大出身なので、この手の画家は、知ってないとバカにされるみたいな環境に いたので知りましたが（因みにハリウッド大作映画を見ないのも、学生時代の なごり。アート系映画を見る人がマジョリティの場所も世の中にはあるのですよ。 卒業すると確実に世間とズレた人になるけどね）、 アメリカ人とかカナダ人（まぁ、英会話学校の先生だけど）の方が、 フリーダ・カーロを知ってて、知名度が高いみたいです。 でも今年の年賀状はフリーダ・カーロの「猿をつれた自画像」をスキャナで パソコンに読み込んで作ってみたら、友人たちに好評で、アート系にそんなに強くも ない女友達２人から、フリーダみたいに強く生きたいわ、とメールを貰ったから、 知名度高くなってきたのかなぁ？ そうそう、数年前パリの蚤の市に行ったら、 ジュースの王冠の底にフリーダの自画像が描かれた物が、ペンダントとして売ってて、 うわー。超レア物とゲットしいつも自慢げに首にかけてました。 でも、それを友達とホテルの温泉に行ったら、脱衣場に落としてしまって、ホテルに 即効電話して、「スイマセン。脱衣場にペンダント落としちゃったんですけど、 ありませんでした？」と言ったら、ホテルの人に「ああ。王冠ですね」と 返され、別に王冠を大事にしてるわけじゃないんだけどな…と内心思ったものです（笑）。
話をフリーダに戻すと、「出産、あるいは、私の誕生」という絵があって （女性器からモロに胎児の頭がニュッと出てるアレですね）、あの絵って、確かマドンナが所有してるんじゃなかったですっけ？ （たぶん、そうだったような…）マドンナって強い女の 代名詞みたいに言われてたけど、そのマドンナがリスペクトするフリーダは、もうめちゃくちゃ強い人なんだろうな。フリーダが日本で受け入れられた つうのも、強い女（それは母性でもある）が愛されてきたってことでしょうね。あと フリーダって、頭がめちゃくちゃ良かったらしいです。なんでもバスの事故前は、 画家ではなくお医者さんを目指していたとか。通ってた高校も、メキシコ国立大学の 付属の学校で、2000人の学生中30数人しか女子がいなかったらしいし。 そうじゃなきゃ、インテリと互角に渡りあえないしね。映画の中では、 トロツキーとの恋物語が出てくるけど、イサム・ノグチとも関係があって、 アンドレ・ブルトンには見向きもしなかったらしいから（パリの個展をすすめたのは ブルトン）、ちょっと男の趣味ヘンかも。それは個人的好みか…。
でもフリーダって、本当に素直な人だったんだろうな〜と思う。トロツキーの奥さんが 英語がわからないことをいいことに「All my love」とか言って、 トロツキーじいちゃんをメロメロにしたらしいし。女にとっては、 こういう素直を武器にして、男とっかえひっかえしちゃう人は、 ムカつかれるのかもしれないけど、フリーダに見習うべき点は多いし、 私はこういう女性、大好きです��（ただ単に、私が才能があって強くて美人で コケティッシュで頭が良い女が好きなだけか。えー。でもこれって、極一般の 理想の女性像じゃないのー）
しかし、この人の自画像って、実物よりブスに描いてる。なんでかなー？ それから、この映画では、メキシコが舞台なのに会話が英語にしてあるんだけど、 スペイン語っぽく話すのには、ちょっと笑った。
※この文章を書くにあたっての参考資料／2003年「芸術新潮9月号」、 「フリーダ・カーロ 〜引き裂かれた自画像〜」（堀尾真紀子著）
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