こんな点数。

押井守が「若い人に伝えたかったこと」って、「世界を（状況を）変えたいんなら生き延びろ」ってことなんでしょうか？なんだか、それって（そうじゃないとしても）私には感じとることができなかったし、ことによったら「若い人に伝えたいことがある大人を代弁」してるだけなのでは、と思ってしまいました。

作られた戦争のための消耗品であるが故の虚無感を持つキルドレが、いきなり熱く人生を語ったあげく最強の敵に立ち向かっていく少年ジャンプ的展開が、演出からも脚本の流れからも納得できなかったのは、私の頭が原作から帰ってこられないからか・・・。

どうせなら攻殻機動隊程度にだけ原作を生かして別の話にしてしまえばよかったのに。

以下、蛇足ですが、言いたいこと。

＜その１＞ 　浅草十二階の幽霊さんがご指摘の通りエンドロール後のシーンは明らかに蛇足。

＜その２＞ 　函南が撃墜される場面も蛇足。帰ってこないという事実だけで十分ではないのか。その方が切なくっていいと思うのだけど。

＜その３＞ 　ＣＧの飛行シーンと２Ｄのシーンのギャップが最後まで気になった（『イノセンス』では平気だったのに。飛行機がきれいすぎるから？

＜その４＞ 　やっぱプロの声優さんの方が上手でいいなあ、とは言え、笹倉は男のままでいてほしかった。なんとなく。榊原良子の実力は認めるけど、おかげで「ワケありの訳知り顔」なキャラになってしまって残念。原作ではメカオタクで、そこが素敵なのに。

＜その５＞ 　戦闘シーンはかっこよかったので、是非これを生かして次の映画を作ってください。主義主張なく、やりたいことをやっていただければいいので。

＜その６＞ 　宮崎駿が『ポニョ』という、ある意味最強のカードを切ってきて、次に押井がどう出るか、まあ楽しみではあります。