★5 | 肉弾(1968/日) | 何かに反抗するわけではなく、いたって従順。かといって諦観するでもない。ニヒリスト、合理主義者とも少し違う・・・こんな男がいちばん強くて怖い。 | [投票(5)] |
★4 | 待ち伏せ(1970/日) | 日本映画凋落著しい70年という公開時を思うと、最早物語的面白さを期待するのではなく、観客自ら進んでこの俳優たちの顔合わせをを面白がるべき映画。そして、今となっては日本映画黄金期を支えてきた者たちへのレクイエムとして謹んで観賞すべきイベント映画。 [review] | [投票(6)] |
★3 | 赤毛(1969/日) | 乙羽信子の痛切な「ええじゃないか」に、信用に足るものなど絶対に、上から勝手に降りてきたりしないのだという岡本喜八の体験的信念が滲む。「葵」が「菊」に代わったように、今だって「菊」が「星条旗」になっただけじゃないかと言いたかったのだろう。 | [投票(1)] |
★3 | 郷愁(1988/日) | 飾り気なく訥々と田舎の中学生を演じる西川弘志が良い。中島丈弘脚本らしく人物やエピソードもみな魅力的ではあるのだが、いかんせん映画的ケレンが足りず語が進むに連れてパワーダウンで焦点が散漫に。クライマックスが浮いては消化不良で感動できず。 [review] | [投票(1)] |
★5 | 血と砂(1965/日) | 「戦争のやり方は教えたが、人殺しは教えていない」 小杉曹長(三船)の矛盾に満ちたひと言に、戦争を体験せざるを得なかったヒューマニスト(岡本)の精一杯の抵抗と苦渋が滲む。葬送曲「聖者の行進」の〈明るさ〉の意味を突きつけられ思わず身震いし感涙する。 | [投票(3)] |