★3 | アラン・ドロンは一人二役を演じたのではなく、アラン・ドロンという映画的記憶そのものを演じた。彼は映画のなかでのみ実在し、幽霊となり何度となく回帰する。映画は幽霊に憑かれている。記憶という名の幽霊に。 (crossage) | [投票] |
★5 | 映像と音のそれぞれの主張が構築する新しい関係。手と手の絡まりの美しさ。階段の音。 (novoru1980) | [投票] |
★3 | 後期にしては珍しく、ドリーやクレーンショットが多い。「中国女」のような横移動ショット。題名といい、主役といい、少し60年代の自己作品の模倣も交えているのかな。しかしこの映画の移動ショットは総じて流麗なのだが、流麗すぎて逆にしんどい。なんだかオフュルスかベルトルッチみたいな感じで。ゴダールはこの頃になるとフィクスで撮ったショットの方が好みだな。考えに考え抜かれた、厭味にならない厳格さがある。 (赤い戦車) | [投票] |
★4 | スイス・レマン湖畔の邸宅。何度も繰り返す滑るような横へのトラック移動の美しさ。これは実にしっとりしたゴダールだ。アラン・ドロンの存在感も素晴らしい。また、庭師に度々警句を吐かせるところなんかが相変わらず格好いい。「この草は私がいなくても草だろうか」なんてゴダール映画だからこそ様になる。 (ゑぎ) | [投票(1)] |