[あらすじ] 新選組始末記(1963/日)
幕末の京都。医師を志す恋人・志満(藤村志保)と暮らしていた浪人の山崎蒸(市川雷蔵)は、知り合った新選組幹部・近藤勇(城健三朗)に武士のあるべき姿を見出し入隊を決意する。しかし局長・芹沢鴨(田崎潤)一派の暴虐な態度は目に余るようになり、土方歳三(天知茂)達は芹沢一派を外部の犯行に見せかけ粛清し、近藤を局長に迎えた。蒸は土方達の陰険な策謀に、またそれを黙認する近藤にも疑問を抱き、組織に対し距離を置くようになる。その煮え切らない態度を問題視した土方は、蒸を葬り去る策を練るのだった・・・。(大映/93分)
新選組研究のバイブル書といわれる子母沢寛原作のノンフィクション小説を基に星川清司がシナリオを執筆。その後、数多くの大映時代劇の名作を書く星川が初めて手掛けた時代劇でもある。
当初はスターなしの集団群像劇にする構想で書かれたが、たまたま脚本を読んだ市川雷蔵が大映のドン永田社長の所へ赴き、「私にやらせてほしい」と直談判して主役の座を得た。それを聞いた監督の三隅研次は、「役者の越権行為だ」と怒りを露にしたらしい。
その後、雷蔵の邸宅に三隅監督と共に招かれた星川は、雷蔵に「この脚本はあなたが主演するような時代劇スタイルではないが、書き直すことはできない」と言うと、「いや、あの脚本は一行でも書き直してもらっては困る。このままでやりたいのです」と言ったという。その発言により、雷蔵と三隅と星川の3人は上手くいくようになったとか。
完成した本作品は所内では評判良かったが、興行的には振るわなかったらしい。
<参考資料>「市川雷蔵とその時代」(徳間書店) インタビュー・構成:室岡まさる
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