[コメント] リベリオン(2002/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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マトリックス・ライクなパッケージは実に損をしている。
『マトリックス』では、個人同士(それも実に派手に)戦えど決着がつかなかったけれど、このガン=カタは、最小限の動作で最大の打撃を与えるという点が、明らかに差別化されている。『マトリックス』のカンフーに対して、「最小限の動きで最大の成果」を挙げるのが『リベリオン』の剣道から空手に至る日本の武術の考えである。
戦う前に敵の真ん中に予備のマガジンを置いて何すんだと思いきや、きっちりと装填する事が動作の中に組み入れられている。そして、「決めのポーズ」が必ず入るのは、”勝って兜の緒を締めよ”の日本の思想である気合い入れではないかと思う。だから笑ってはいけない。
本作はガン=カタ・アクションを楽しめればいいのだからストーリーは二の次。それにしても第三次世界大戦後を描いているのに世界観が小さすぎる。生き残りの人々のお話なんだから、限られた世界ってゆーのも解るけど、画面以上の広がりが感じられないのが残念。
自分が感じたのは「打倒!徳川幕府」という観点からこの映画を楽しんだ(←なんじゃそりゃ)。
徳川幕府は事もあろうに、平和という名のもとに自家安泰を図るため、海外との接触を殆ど断った鎖国という悪政で日本は進歩が250年も止めてしまったのである。封建支配としてのこの映画の世界と同じである。江戸時代が到来しても大坂の陣がなかったならば、豊臣政権が息を吹き返して戦乱がしばらく続いた事でしょう。鎖国が無かった250年後の日本も興味があるけれど、場合によっては欧米の列強に植民地化されていてもおかしくない。
これ、今のイラク情勢と全く同じ。
この映画でも、ファーザー倒してこの世界がすぐに変わるかと言ったら、そんなに安易ではないだろう。争いが始まって収拾のつかない修羅場になる事も想像できる。それどころか主人公が独裁者になってしまうなんて事もね。
原題はイクイリブリウム(平安)で、邦題がリベリオン(反乱)だから正反対。邦題に大賛成! 偽りの平安なんてクソ食らえ!
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