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[コメント] 狐の呉れた赤ん坊(1945/日)

阪妻初体験。思わず「アタイを後添いにしてお呉れぇぇぇ!」と駆け込みたくなるほどこの出会いは大きい。日本男児はすべからく父ちゃんであれ!
はしぼそがらす

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







産みの苦しみがない分、なかなか自覚するのが難しい「父性」というやつ。

そこに焦点をあてた「父もの映画」は邦洋問わず多々あれど、この阪妻は間違いなく3本の指に入ると思う。どちらかといえば全編にベタな設定が、さほどいやみに感じないのも、ひとえに阪妻の魅力によるところが大きい。

断固として二枚目ラインに乗らないところとか。侠気の根底を確かに支える情の豊かさとか。ああー生活の苦労はするだろうけどこういう人の嫁ッコになりてーと人妻の分際で思ってしまった。

わたしに言わせりゃ、善太は若様なんぞになるより、虎さんの息子でいるほうがずっと幸せになれると思うんだがなあ。お城に上がっちゃったら、生活の苦労はないかもしれないけど損得なしの愛情を受けるのは望み薄な気がするし。父ちゃんそっくりの、喧嘩っ早いし年中裸だけど心は錦の川渡り人足でいいじゃないか。だいたい、仲間の子どもをアゴで使うようなガキが、将来慈悲深い殿様になるとはとても思えねぇだ・・・

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (3 人)水那岐[*] ゑぎ[*] ina

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