[コメント] パーマネント・バケーション(1980/米)
実に多くの魅力が詰まった作品で、この処女長編一作でジャームッシュの才能はじゅうぶんに証明されている。のちの作品と比べるとややユーモアに欠けるが、それもこの映画にとっては大した瑕とはならない。
サウンドトラックに対する感覚は既に図抜けていて、並の映画監督とは一線を画していると云ってよい。兵士の第一声の入れ方なんか非常に冴えている。
また、ロケハン能力の高さも突出している(大規模なロケハンは行えなかったはずであるにもかかわらず)。屋外・屋内にかかわらず、すべてのシーンが日常的かつ映画的な風景で満たされている。個人的には母親の病室がとりわけ印象に残った。ジム・ジャームッシュは「場所」の映画作家である、などという言説も成り立ちうるのではないかと思うが、それは彼がどの場所をどのように撮影するかというきわめて具体的な選択の能力に優れているからこそだ。
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