[コメント] ごめん(2002/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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もういっぺんコレ観るためやったら京都でも延岡でも、どこへでも行ったる!
ていうか、ごめん! もう連れのチャリンコに乗ってしもてるがな!
え? なんでそんなことするんやって?
そんなん知らん! 自分でもわからへん! でも、そうせずにはいられへんねや!
でな、もう1回観たらオレもセイとナオコみたいにチャリンコで坂道下りたるねん!
わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜! って叫びながら下りたるねん!
え? なんやて? パンツをお汁で固めたことがあるオヤジがそんなことしてもバカにされるだけやて?
そんなの … やってみなわかりません!!
わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜!
***
と、興奮したくなるほどの傑作。
まずなんと言っても主役の2人、久野雅弘と櫻谷由貴花の演技が素晴らしい。こういう年代の役者の演技は、ちょっと間違うととんでもない方向へと向かってしまうものだが、それをギリギリのところで抑えているのが特によい。このあたりはもちろん冨樫森監督の手腕によるところも大きいのだろうが、本当に嫌味がなく、彼らの感情の流れが素直に胸に飛び込んできて本気で泣けた。冒頭とラストの明らかな表情の違いもすごい。
役者と言えば、剣道部の友達2人や、セイの思いを寄せる同級生のナオちゃんら脇を固めた子役もすごくよかった。また脇と言えば忘れてはならぬ國村隼と河合美智子の父母。これもまたこの2人だからこそのバランス感覚が絶妙であった。
さらに冨樫森の演出に関しても、師である相米慎二もビックリのチャリンコ長回しをはじめとして全篇にメリハリが効いており、所々に配された風や水そのもののような心地よさであった。
あと、忘れるところだったが、この映画は音楽も素晴らしい。印象に残りながらも決して映像の邪魔をしない最高の音楽。本当にいい感じだった。
いやホントに素晴らしい映画だった。こういう頑張っている日本映画はやはり積極的に擁護していきたいと思う。
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