[コメント] 奇跡の海(1996/デンマーク=スウェーデン=仏=オランダ=ノルウェー=アイスランド)
「何故、この世界には、罪なき人間を苛む理不尽な災難ばかりが存在するのか?」とヨブが神に問いただした時、神は真正面からの回答を拒否し、返答をはぐらかした。「お前は、私がこの世界を創造した時に、存在していたか?」と。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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神の存在を信じたいのに信じ切れないという西洋人の伝統的苦悩が如実に表れていると同時に、権力の手中にあり形骸化しつつある信仰を自分たちの手に取り戻そうとする“異端”を描く反骨な側面を持った映画だ。
だが、自らを好んで贖罪の羊としてしまった彼女の行動は、正直、理解しがたい。“自分を捨てれば愛する人を救える”という妄信は、“自らのパンと血を分け与える”というキリストの理念とは別物だろうに。
異端を通り越して破綻してしまったんじゃないか?
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