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[コメント] キャプテン・スーパーマーケット(1993/米)

今のスティーヴン=スピルバーグに言いたい。先ずこれを観てから自分の映画を撮りなさい。絶対に傑作が作れるはず!
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 前作がブラック・コメディーと言うなら、本作は間違いなくコメディーそのもの。怖さは殆ど付け合わせ程度で、全編笑いに包まれている。

 世界を救うために唱えるはずの呪文。「クラトゥ ベラタ ニうぉっほほ…覚えてる限りはちゃんと唱えたぞ」。これがアッシュの性格を本当に良く表してる。あんたにとって、世界の命運って、その程度か!

 自分の半身と戦うアッシュのあまりに馬鹿馬鹿しい姿には同情さえ覚える(ブリッジしながら自分の頭をどつき続けるなんて…絶対後で自己嫌悪起こしたぞ、あれは)。

 更にこの人一体現代では何をするつもりだったのか。と思わせるほどやばいブツが積んである車。ご都合主義の権化だが、これを好意的に解釈すれば、1作目で人知れぬ館に来たのはパーティをするつもりじゃなくて、ここで革命のために爆弾を造って、命知らずの兵隊を訓練するためにきたんじゃなかろうか?(あるいは趣味か?)

 現代はCGで済ましてしまえることを、あくまでアニメーションにこだわった作りも良い。延々と続く死霊軍団の描写、あれをだらだらと長いだけ。とは言ってはいけない。この手間がどれだけかかるか分かるなら、感心を越え、感動できることは請け合える。まさに職人芸。

 そしてこの作品には二つのタイプのエンディングがあり、出来るならどちらも楽しんでいただきたい。オープニングの完全撮り直しで前作を説明する映像も素晴らしい出来。そう言うくだらない所で手を抜かないサム=ライミは大好き。

 ちなみにこの作品、原題は配給の関係で『Evil Dead』を使えなかったらしく、このようなタイトルとなっている。それで何がキャプテン・スーパーマーケットなのか、と言うと、主人公のアッシュが現代ではスーパーマーケットの店員だからだとか(劇中、自分のスーパーマーケットに売っている製品の説明をくどくど述べる描写もあり)。

 「ホラーは苦手で…」と言う方がいたら、先ずこれを観なさい。いつの間にかホラー好きになってる(かも)。

(評価:★5)

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