[コメント] 日本女侠伝 侠客芸者(1969/日)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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とにかく藤純子を綺麗にそして粋に撮る。これを至上命題としたような作品。それに対し「芸」で応える藤純子の素晴らしさ。
好きな男の前ではまるで少女のように、弱い立場の男たちの前ではまるで母のように、悪党の前では娼婦のように、そして目眩がするような殺気を漂わせる。
これをひとりの女優が演じ分ける。さらに芸者役としての役づくりの完璧さ。着物の着こなしは言うに及ばず、その立ち居振る舞いと踊りの見事さは言葉にならない。ほんまもんの役者である。
そして、ラスト。ひとり鏡に向かう藤純子が唇に紅をさす。純子の大アップがスクリーンに一杯になるや、やがて流れ落ちる一筋の涙、さらにもう一筋の涙・・・いやはや稀有な大女優である。邦画界が絶賛してやまない娘も素晴らしいが、やはり母のこの芝居を越えられるのだろうか。娘には「歌舞伎界」の血が混じっっている。きっと母を超える芝居をする日が近いのだろう。やはり今は母の作品は見ないほうがいいのかもしれない。
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